ウブドでは、夜になると伝統芸能の公演が、街のあちこちのお寺で開催されている。 夜の闇は 澄んで濃厚になり、踊子は 踊りになり、ガムランの響きの煌めきに舞う。
舞踊
ウブド村寺院で踊りを練習する女性達
夕方になると、どこからかガムランを練習している音がきこえてくる。 バリでは、宗教的性格が強い芸能から、観光用として上演される芸能まで、毎晩どこかで公演が行われています。ヒンドゥー教の地、インドでは、もう表現されていないという最古の「16拍子の指の動き」が、バリに伝わり残っているという話も興味深かったです。
ケチャ kecak or trance dance
もとは、儀式舞踊のサンヒャンを、1930年代にバリに在住していたウォルター・シェピースが純粋な声のガムランという形で儀式から離れた芸能として確立したそうです。松明の灯りが熱帯の夜に照らしだした幻想的な空間で大地に響くケチャのかけ声にのって展開されるスアラ・プルナマのケチャは神秘的でおすすめでした。
バロンダンス barong dance
チャロナランという宗教性の高い儀式を観光化したもので、チャロナランとは、善と悪、生と死、聖と邪という対立する概念をバロン(聖獣)とランダ(魔女)で表し、対立する二つの力のバランスにより世界が保たれている、という確認を行うことだそうです。
レゴンダンス legong dance
バリ古典舞踊のガンブーの動きを基に、18〜19世紀ごろに現在の形となったといわれているきらびやかな宮廷舞踊。女性の柔らかな優美な動きや男性の躍動的なキレのある動きなど目や指先のリズムと一体化した動きなど、美しくて幻惑的でした。
その他の舞踊
クビャール kebyar
レゴンが、宮廷や神話を
扱っているのに対し
農村の牛や、農作など、
より庶民的な内容。
水牛が畑を耕しながら進む様子を、
男女6人位で表現したりと
日常生活のワンシーンが
踊りになっていました。
バリス baris
独特の衣装のバリスは、
少年によって演じられるものが有名だそうですが、 本来のバリスは、複数の成人男性が
武器を携えて踊る戦士の踊りを表しているそうです。
楽団「スマラ・ラティ」のアノム氏が踊るバリスを
見たのだけれど、キレのある動きに華やかな衣装が、激しい動きを、黄金の閃光のように包み込んでいるようで、本当に素晴らしかったです。
楽器
ジェゴグ jegog
大・中・小14台の竹製鍵盤楽器での
アンサンブルである。
竹から発生する、うねるような低い重低音は
空間に否応なく溶け込むように響き
とても心地よい。
普通5音階のバリの音楽にあって、
ジェゴグは、特殊な4音階だそうです。
ガムラン・ゴン・クビャール Gamelan Gong Kebyar
ガムランとは、打楽器全般を指す他、 音楽そのものを意味するそうです。ゴン・クビャールは、炸裂するゴングとも 言われる巨大で複雑な打楽器アンサンブルです。
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